Redmine6のメール通知とは

この記事では、RHEL8のサーバ上に構築したRedmine6のメール通知を設定する方法について解説します。

Redmine6の基本的なインストール方法については、以下の記事を参考にしてください。

Redmine6のメール通知とは

Redmine 6は、チケットのやり取りに基づくプロジェクト管理ツールです。

Redmine 6にはメール通知機能が備わっており、この機能を活用することで、チケットの更新やコメントの追加が行われると、担当者へ自動的にメールが送信されるため、迅速な対応が可能になります。

さらに、期限のリマインドやステータスの変更も自動的に通知されるため、タスクの抜け漏れを防ぎ、チーム全体の生産性向上に寄与します。加えて、プロジェクトの進捗状況を関係者が把握しやすくなるため、円滑なコミュニケーションと効率的なタスク管理が実現できます。

この手順では、イントラネット内にSTARTTLSが利用可能なメール送信サーバがあらかじめ準備されていることを前提として進めていきます。STARTTLSは、ユーザー認証情報やメール本文の内容をTLS暗号化により保護する技術であり、安全な通信を確保するために重要な役割を果たします。

SMTPサーバとは

SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)サーバは、メールの送信を担当するサーバです。

今回使用するSMTPサーバは、STARTTLSで暗号化された通信を行います。そのため、Redmine 6のメール通知機能でも、STARTTLSを使用して安全にメールを送信するように設定していきます。

メール通知設定

Redmine6のメール通知設定画面は、初期段階では画面から設定することはできません。「管理」→「設定」→「メール通知」を選択すると、以下のような画面が表示されます。

上記のような初期状態では、Redmine6の設定ファイルにSMTPサーバの接続情報を追加する必要があります。

# cd /opt/redmine/config
# vi configuration.yml
      delivery_method: :smtp
      smtp_settings:
        enable_starttls_auto: true
        address: "srv00.reafnex.local"
        port: 587
        domain: "reafnex.local"
        authentication: :login
        user_name: "binduser@reafnex.local"
        password: "Root0000"
        openssl_verify_mode: "peer"
        open-timeout: 30
        read-timeout: 60

各種設定値の意味は、以下のとおりです。

項目説明
enable_starttls_auto:STARTTLS を自動的に使用するかどうかを指定するオプションです。
設定値:true(SMTP サーバーが STARTTLS に対応している場合、自動的に暗号化通信を行う。)
address:MTP サーバーのホスト名または IP アドレスを指定します。
例:”srv00.reafnex.local”
port: SMTP サーバーの通信ポートを指定します。
設定値:587(STARTTLSの標準ポート番号)
domain:SMTP サーバーに送信する HELO/EHLO コマンドで使用するドメイン名を指定します。
例:reafnex.local
authentication:SMTP サーバーへの認証方式を指定します。
設定値:login(ユーザー名とパスワードを使った認証方式)
user_name:SMTP サーバーにログインするためのユーザー名を指定します。
例:binduser@reafnex.local
password:MTP サーバーにログインするためのパスワードを指定します。
(実際の運用では環境変数などを利用したパスワード管理を推奨)
openssl_verify_mode:OpenSSL の証明書検証モードを指定します。
設定値:peer(SMTP サーバーの証明書を検証して、正当性と安全性を確認する。)
open-timeout:SMTP サーバーに接続を開始してから、接続が確立するまでの最大待機時間
設定値:30(秒)
read-timeout:SMTP サーバーが応答を返すまでの最大待機時間
設定値:60(秒)

今回は、自己認証局の証明書を利用しているため、信頼された証明書機関 (CA) のリストに自己認証局の証明書が追加されているか確認します。CA証明書は例ですので、ご自身のCA証明書の内容で読み替えてください。(例:reafnex-SRV00-CAが自己認証局の場合)

# trust list | grep "reafnex-SRV00-CA"
    label: reafnex-SRV00-CA

もし、信頼された証明書機関 (CA) のリストに自己認証局の証明書が追加されていない場合は、以下の手順で追加します。

自己認証局の証明書を、/etc/pki/ca-trust/source/anchorsに配置します。

# cd /etc/pki/ca-trust/source/anchors
# ls 
reafnex_CA.crt

以下のコマンドを実行して、自己認証局の証明書を信頼された証明書機関 (CA) のリストに追加します。

# update-ca-trust extract

設定が完了したら、Redmine6のフロントエンドを再起動します。(例:フロントエンドがPumaの場合)

# systemctl restart puma

メール転送をテストする

「管理」→「設定」→「メール通知」を選択すると、以下のよう画面が表示され、メール通知機能が利用できるようになります。

画面下の「テストメールを送信」をクリックすると現在ログインしているユーザに向けてテストメールが送信されます。

メールの送信が正常に行われた場合は、画面上部のメッセージ領域に「〇〇宛にメールを送信しました。」と表示されます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は、Redmine6のメール通知を設定する手順について紹介しました。

この機能を活用することで、チケットの発行、更新やコメントの追加などの操作が行われると、チケットの担当者に向けて自動的にメールが送信されるため、担当者は、自分にアサインされたチケットについて迅速に気付くことが可能になります。

さらに、期限のリマインドやステータスの変更も自動的にメールが送信されるため、タスクの抜け漏れを防ぎ、チーム全体の生産性向上に寄与します。

加えて、プロジェクトの進捗状況を関係者が把握しやすくなるため、円滑なコミュニケーションと効率的なタスク管理が実現できます。

参考になれば幸いです。

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