障がい者に当たり前の生活を

厚生労働省の調べによると、全国で964万人の障がい者の内、18歳~64歳の在宅障がい者377万人の方々が就労継続支援が必要とされています。特別支援学校から一般企業への就職者数は全体の32.0%です。また、全体の31.4%にあたる障がい者は、就労系障害福祉サービスを利用し、一般就労を目指して日々訓練しています。

令和2年度では、2.2万人の就労系障害福祉サービスの利用者が一般就労への移行を達成し、年々増加傾向にあるといわれています。

障がい者に当たり前の生活を

障がい者の就労系障害福祉サービスは、「就労継続支援A型」と「就労継続支援B型」に分類されます。いづれも障害者総合支援法(旧 障害者自立支援法)に定められた就労支援事業となります。

一般企業への就職が困難な障がいをお持ちの方に就労機会を提供して、訓練を通じて就業に関する知識や能力の向上を図ることを目的としています。

「就労継続支援A型」と「就労継続支援B型」の大きな違いは以下の通りです。

就労継続支援A型就労継続支援B型
企業が障がい者と雇用契約を結び、原則として最低賃金を受給する(雇用型) 企業との雇用契約は結ばず、利用者が作業に対する工賃を受給する(非雇用型)
働き方は、企業の就業規則によって規定される比較的柔軟に働くことができる
月給78,975円(時間給887円)※令和元年度月工賃16,369円(時間工賃223円)※令和元年度
就業継続支援A型及びB型の違いについて

Reafnexは、就労継続支援B型を運営する合同会社 KIZUNA(2019年9月設立)の事業にボランティアとして参加しています。

合同会社 KIZUNAは、千葉県長生郡長南町に所在する就業継続支援B型の施設であり、「障がい者に当たり前の生活を!」を経営理念に掲げ、当該施設の利用者へ働きがいの提供と、時給1,000円=月給11万円(法律上は工賃)の達成を目指して、様々な就業機会の創出を実践している企業です。

2018年4月の法改正により、国から施設に支給される就業継続支援B型の補助金・助成金の総額は、施設利用者に支払われる工賃の平均によって決定されるようになりました。これにより、施設の経営にあっては、利用者に対する「働きがい」の提供だけではなく「経済成長」も同時に達成させなければならない厳しい状況に立たされています。

現状における障がい者就業継続支援B型の事業モデルは、働く能力の高くない障がい者が置き去りにされてしまう状況といえます。働きたくても身体上の問題により長時間働くことができない方々がたくさんおられる中で、平均工賃の向上だけを重視する社会制度では未来に向けて持続不可能な状況といえます。

持続可能な障がい者自立支援を目指して

Reafnexは、合同会社 KIZUNAとともに「持続可能な障がい者自立支援を目指し、既存概念にとらわれないチャレンジングな新しい取り組みを展開しています。

Webサイト開発事業

周辺地域の企業からWebサイト開発作業を受注し、就業継続支援B型の施設利用者にWebサイトの作成や更新などの作業を提供する事業を2021年6月から展開しています。Webサイト構築費用の市場平均価格よりも安価に提供することで、地方創生に不可欠なIT活用を地域社会に普及させるとともに、施設利用者の時給(法律上は工賃)1,000円以上を目指しています。

リモートワークによる就労継続訓練

身体的理由により長時間働く(訓練)することが困難な施設利用者にも、就業機会を平等に提供することを目的とし、リモートワークを活用した就業訓練を2021年6月から提供開始しています。今後は、様々な就業訓練にもリモートワークの適用を拡大させていきます。

誰も置き去りにしない社会の実現

SDGsの理念は「誰も置き去りにしない」ことです。施設利用者のみなさんが、自分が住む地域の地方創生に貢献できている実感社会との関わりの中から「働きがい」を感じ、時給1,000円以上の就業機会と訓練を通じて「経済成長」による経済的自立を達成させること。今日における障がい者就業継続支援B型の抱える現状の問題点を早期に改善して、「持続可能な障がい者自立支援の実現」を目指していくことが、いま最も大切なことなのです。

Reafnexは、障がい者にも当たり前の生活を提供するため、合同会社 KIZUNAとともに、障がい者就業継続支援事業の改革にチャレンジしていきます。

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