WordPressを利用しない理由はない
WordPressは、世界中で圧倒的なシェアを誇るCMS(Contents Management System)です。CMSは、Webページやブログなどのコンテンツの構築、管理や更新ができるシステムのことを言います。
一般的なWebサイトは、HTMLやCSSを使用してプログラミングして製作されますので、専門的な知識やスキルが求められます。そのため、知識や経験がない人は、Webサイトの更新ですらままならず、お困りの方もたくさんいらっしゃることでしょう。
WordPressは、PHP(Hypertext Preprocessor)をベースに作成されており、Web画面を通してWebサイトのコンテンツを管理できるCMSです。HTMLやCSSプログラミングの知識がなくても、管理画面を通じてWebサイトのコンテンツを構築したり更新したりすることが簡単にできます。また、高機能なCMSであるにもかかわらず無料で利用でき、さらには商用利用することも可能であることが、世界中で高いシェアを誇る要因として挙げることができます。
現代においてWebサイトはビジネスに必須のツールであることは言うまでもありません。スマートフォンなどの普及により、事前にホームページを見て情報収集するのが当たり前の行動様式になっています。企業の看板や名刺の役割を持つコーポレートサイトなどがないと、デジタル社会では存在が認識されない時代なのです。
これらを踏まえて、Webサイトの現状、WordPressを利用するメリットやデメリットについてまとめていきます。
目次
世界のWebサイトの現状
オーストリアのコンサル会社であるQ-successのWebサイトに関するトレンド調査によると、2020年8月17日現在における世界中のWebサイトは、WordPressを利用したWebサイトが38.1%、CMSなしのWebサイトが40.1%存在していることがわかります。
世界中のドメインとして一意に認識できるWebサイト数は、2020年8月時点で約17.9億サイトに達しています。実際にアクティブなサイトは、全体の1/4程度と推定されているため、約4.5億サイトがネット上で閲覧できる状況とみることができます。そのうちの38.1%にあたる約1.7億サイトがWordPressを利用したWebサイトであると見積もることができます。
By “Website” we mean unique hostname (a name which can be resolved, using a name server, into an IP Address).
It must be noted that around 75% of websites today are not active, but parked domains or similar.
https://www.internetlivestats.com/total-number-of-websites/#trend?utm_source=capitalp&utm_campaign=SponsorUs&utm_medium=voluntary_link
日本国内のWebサイトの状況
日本国内のWordPressを利用したサイト数は、2020年8月時点で世界全体の5.7%を占めています。よって、日本国内のWordPressを利用したサイトは、おおよそ970万存在すると推定できます。
日本のCMS市場の実に82.4%はWordPressが占めていて、諸外国に比べても非常に多く利用されています。また、個人利用だけではなくコーポレートサイトの構築にもWordPressを利用したものが増えています。
一方、WordPress以外のCMSを利用したサイトやCMSを利用していないサイトは、日本国内に180万程度存在すると予測されます。
ホームページの運用にかかわるコスト
日本国内のWeb制作事業者が公開しているホームページの製作費用をざっと眺めてみると、ページ数やコンテンツの内容にもよりますが、概ね30万~100万円で、中には200万円以上するものもあるようです。だいたい1ページあたり5万円程度とみてよさそうです。
ホームページなどWebサイトを運用するためには、ホームページ制作費用のほかに、サーバ費用、ドメイン費用、SSL利用料などが必要となります。このほかにも、ホームページ更新作業費用、保守サービス費用、アクセス解析やSEO対策のコンサルティングなどがかかる場合もあります。
最近のレンタルサーバでは、ドメインやSSL利用料が無料の業者も多いようです。ホームページの運用管理を業者にすべてお任せする場合は、ホームページ更新作業費用、保守サービス費用、アクセス解析やSEO対策のWebコンサルティング費用などが必要となる場合があります。
レンタルサーバ利用料(月額) | 1,000円 |
ホームページ更新作業費用(月額 5ページ/月) | 50,000円 |
保守サービス費用(月額) | 10,000~50,000円 |
Webコンサルティング(月額) | 50,000~100,000円 |
月額費用合計 | 111,000~201,000円 |
ホームページを新規に立ち上げようとすると、初期費用(HP製作費+月額管理費)として40万円以上必要になります。また、月額管理費も年額では、100万円以上かかる場合もあり、小規模事業者の経営にとっては看過することができないコストとなってしまいます。
月額管理費を下げるために、ホームページの更新作業、保守サービスやWebコンサルティングの契約をしないことも考えられますが、その場合は、自分ですべての管理作業を行わなければならず、別の意味で負担増となってしまいます。
ホームページの放置はお金の無駄遣い
ホームページよって、新規顧客、リピーターや商圏外からの集客に効果を発揮します。また、ホームページに事業概要を掲載することによって、紙媒体広告費、営業人件費や交通費などの削減効果も期待でき、ビジネスになくてはならないツールです。そのため、大枚をはたいてデザイン性や個性を追求したホームページの作成を発注した経験を持つ事業者も多いことでしょう。
どんなに個性的なホームページを作成しても、ただ公開しているだけではページのアクセス数は増えることはありません。放置状態となっているホームページは、検索順位がどんどん下がっていくようになっています。また、まったく更新されていないホームページにたどり着いたユーザは、その事業者に不安をおぼえることでしょう。
放置されたホームページは、アクセス数の低下、検索順位の低下やイメージダウンを招くだけであり、事業者のビジネスに対して負のコストしか生まないのです。ホームページを放置すると、高いホームページ製作費用や月額管理費用の無駄遣いにしかならないのです。
更新しないホームページを運用し続けるなら、事業コスト削減のためにやめたほうがよいでしょう。
2種類のWordPressの違い
WordPressは、WordPress.orgとWordPress.comの2種類が存在します。前者はインストール型で、後者はWeb型(インストールレス型)です。どちらも無料かつ商用利用可能なWordPressですが、WordPress.comは有料プランが用意されており、利用シーンに合わせて提供サービスを選択することが可能です。
比較要素 | WordPress.org(インストール型) | WordPress.com(インストールレス型) |
利用料/利用シーン | 無料/商用利用可 | 無料/商用利用可 有料アップグレード有 |
サーバ | レンタルサーバ等 | 不要 |
テーマ拡張性 | 自由 | 無料テーマまたはプレミアムテーマ |
プラグイン拡張性 | 自由 | 推奨プラグインのみ |
機能拡張 | 自由 | 不可 |
独自ドメイン | 利用可 | 有料プランのみ利用可 |
SSL | 利用可 | デフォルト |
SEO対応 | 対応可能 | 推奨プラグインの利用以外は困難 |
利用スキル | 無料ブログを利用できるレベル | 機能拡張時に必要 (PHP、HTML、CSSやJavascriptなど) |
Webサイトの規模 | 個人、小規模~大規模 | 個人、小規模 |
2つのWordPressを比較してみるとわかる通り、インストール型のWordPressの方がテーマ、プラグイン利用の自由度や拡張性が高く、インストールレス型ではいくつかの制限があります。しかしながら、インストールレス型でも、独自ドメインの利用やSSLに対応しているため、ビジネス用途のWebサイトとしても十分に利用できるでしょう。
また、インストールレス型についてはレンタルサーバなどを準備する必要がなく、サーバ管理の必要もないためお財布にも優しいです。使用するテーマやプラグインにこだわりがなく、お試しや低コストでお手軽にホームページを運用したいと思う場合は、インストールレス型のWordPress.comの利用を強く推奨します。ECサイトとしてもWordPress.comは利用可能で、PayPalと連携できるようです。
WordPressを使うメリット・デメリット
WordPressを使うメリットとデメリットについて、筆者が感じる点を以下にまとめてみました。
メリット | デメリット | |
無料で商用利用可能 | WordPress.orgの場合はレンタルサーバなども必要 サーバ管理の知識が必要 | |
プログラミングの知識がなくてもWebサイトを構築できる | カスタマイズする場合はプログラミング知識が必須 | |
無料テーマや有料テーマを使用して素早くホームページを作成できる | デザインのカスタマイズには、プログラミング知識が必要 | |
プラグインを使用して簡単に機能追加可能 | サードパーティー製プラグイン利用によるセキュリティ脆弱性に対するリスクがある | |
ホームページやブログの更新が簡単にできる | Webサイト全体の管理をすべて自分で行う必要がある テーマやプラグインの不具合に自分で対処しなければならない | |
ホームページ制作費用や更新費用が掛からない | 自分でコンテンツを更新しなければならない | |
月額管理費用が掛からない(レンタルサーバ費用を除く) | 自分でデザインの更新、SEO対策、アクセス解析や障害対処をしなければならない |
WordPressを利用することで、プログラミングの知識がなくてもWebサイトを構築できるため、おおよそ30万円以上かかるといわれるホームページ製作費用が掛からないのはとてもありがたいことです。
ホームページのデザインに独特な個性を追求しなければ、無料のテーマを利用するだけでレスポンシブに対応した綺麗なコンテンツを作成することができます。スマートフォンが80%近く普及している現代において、ホームページがレスポンシブに対応しているのはもはや当たり前の状況です。レスポンシブデザインにおいては、個性的な見た目よりもシンプルで使いやすいことを重要視するべきです。個性的なデザインの呪縛から離れて、伝えたいことや表現したいことに重点を置いてホームページを作成した方が、ターゲットとなるユーザのアクセス数増加やコンバージョン獲得につながるのです。
新しいブログ記事の作成やホームページの更新も、やり方さえ覚えてしまえばCMSの画面から比較的簡単にできるので、何よりも記事を書くことに集中できるメリットがあります。更新頻度を増やしていくことによって、アクセス数や検索順位の上昇も大いに期待できます。
また、WordPressは、もともとSEO対策を考慮した設計がなされており、SEO対策されたテーマなども利用することができるため、必要最低限のレベルは対策できていると考えて問題ないでしょう。Goole XML Sitemapsプラグインを利用して、サイトの構造をGoogleのサーチロボットに通知することで、さらにSEO対策を強化することができます。
さらには、Jetpackプラグインを利用すれば、Webサイトのページごとの表示数、訪問者数、国やリファラーなどのアクセス統計情報を得ることができま、マーケティングにも活用することができます。
WordPressを使うデメリットは、ずばりすべて自己責任であることでしょう。それさえ我慢できるのであれば、レンタルサーバ費用を除くその他の月額管理費用の出費をカットすることができます。これだけで、年間100万円以上の経費を削減することができる可能性があり、小規模事業者にとっては、大きなコストカットになるので、ぜひとも注目していただきたいことです。
WordPressで新しい未来をつかむ
SEの筆者としては、今日におけるWebサイトの製作費用、管理費用やWebコンサルティング費用はとても高額であると感じています。そんな今だからこそ、日本と地域経済の基盤を担う小規模事業者の方々に強くWordPressの利用を推奨していきたいと考えています。
ここまで読んでいただいた読者の方は、きっとWebサイトやWordPressの利用について迷いをお持ちのことでしょう。
放置しているホームページがあれば、ぜひともWordPressへの乗り換えを検討してみてください。また、まだホームページをお持ちでない小規模事業者の方々は、これを機にWordPressを利用してWebサイトの運営を始めてください。
デジタルネットワーク空間に自由にアクセス可能な時代にあっては、自社でWebサイトを運営することは重要な事業経営手段の一つです。デジタルネットワーク空間に情報を公開することによって、無限のビジネスチャンスに出会うことができるはずです。
デジタルネットワーク空間へのアクセスは、すべての人々に平等でなければならず、経費や運用コストの問題によって阻害されてはなりません。持続可能な社会を実現する方法の一つとして、WordPressの普及によるWeb関連ビジネスの革命を起こしていくことが必要です。その先には必ず新しい未来が開けるものと確信しています。
限りなく低コストのWebサイトの運営方法を無料でお教えいたします。また、いろいろとお悩みを持ちの方には、ボランティアでご相談に応じさせていただきます。
私たちと一緒にWordPressで新しい未来をつかみに行きましょう。
ホームページやWordPressに関するお問い合わについて
どんな内容でも構いませんので、気兼ねなくご相談ください。
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