SDGs 目標17 パートナーシップで目標を達成しよう

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SDGs目標17の趣旨は、「持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する」です。この目標は、全部で19個のターゲットで構成されています。

SDGsの目標を達成するためには、目標17がとても重要な役割を果たします。なぜならば、国や政府だけではなく、民間企業や私たち一人ひとりが持続可能な社会の実現のために社会全体として協調しなければ、あらゆる問題を解決することができないからです。

SDGsの目標17は、持続可能な開発を強力に推進するため、国、政府、地方自治体、民間企業や市民のあらゆるレベルにおける個のつながり、コミュニティやパートナーシップを活性化して、SDGsの目標達成を確実なものにすることを目的としています。

その中でも、私たちが特に注目している3つのターゲットについて、民間企業や市民レベルの目線で掘り下げてみたいと思います。

17.14 持続可能な開発のための政策の一貫性を強化する

持続可能な開発のための政策の一貫性を強化する。

http://www.env.go.jp/policy/sdgs/guides/SDGsguide-siryo_ver2.pdf

SDGsの目標達成は2030年に設定されています。そんなに遠い未来の話ではありません。しかしながら、この記事を執筆した2020年時点における日本においては、SDGsが社会へ十分に浸透しているとはいえない状況です。

2020年7月から日本では「レジ袋有料化」が開始されました。これは、国のSDGsに対する政策の一つです。この政策の目的は、国民に対してライフスタイル見直すきっかけを与えることが目的であり、国民一人ひとりが、普段の生活レベルから環境問題を意識し、その改善に積極的に取り組むための動機付けの役割りがあります。

そのほか、地球温暖化防止への取り組みとして、日本政府は2020年7月に「脱炭素社会の実現」に関する見解を発表しています。これらも政府のSDGsへの貢献につながる政策であることに間違いありません。

地方自治体においては、地方創生の実情に合わせたより具体的な政策が求められているのが現状です。これに対して、2018年度に内閣府地方創生推進事務局により「SDGs未来都市」と「自治体SDGsモデル事業」が選出され、それぞれに地方創生支援事業費補助金が交付されており、地方自治体の持続可能なまちづくりの実現とSDGsへの貢献活動の実践を後押ししています。

2030年までの限られた時間の中で、国や政府、地方自治体、民間企業や市民が強力なパートナーシップの下に持続可能な開発を通じて、すべてのSDGsの目標を達成するためには、地方のそれぞれの実情にあった地域開発の方向性(ベクトル)が必要であり、政策の一貫性が強く求められることになります。

一貫性のとれた政策によって、地方自治体、民間企業と市民のベクトルを一致させ、後戻りすることなく前進していくことがSDGsの目標達成には必要不可欠であり、地方自治体のリーダーや議員を選出する上では、各候補者のマニュフェストやSDGsの目標達成への考え方を評価して投票することが、有権者の権利であり責任でもあるのです。

17.15 政策の確立・実施にあたり、各国の取り組みを尊重する

貧困撲滅と持続可能な開発のための政策の確立・実施にあたっては、各国の政策空間及びリーダーシップを尊重する。

http://www.env.go.jp/policy/sdgs/guides/SDGsguide-siryo_ver2.pdf

このターゲットは、国策に関する提言となっていますが、地方自治体においても、それぞれに政策空間とリーダーが存在しています。また、民間企業や市民レベルのコミュニティにおいても同じことが言えます。

地方創生分野においては、各地域を構成する要素が異なるため、すべての自治体の政策を同一規格で実行することは事実上不可能です。各地方の実情に合わせた一貫性のある政策の下で持続可能な開発推進すべきであり、二番煎じで達成できるほど簡単なものではないことを十分に理解しておかなければなりません。地域それぞれの実情に見合ったオリジナリティあふれる政策の展開がSDGsの目標達成には必要不可欠です。

また、地方自治体、民間企業や市民レベルにおけるルール、取り組みやリーダーシップは、それぞれの集団の意思と捉えることができるため、その地域に価値のあるものとして尊重しなければなりません。

例えば、地方に大型スーパーマーケットやアウトレットを展開しようとする企業は、その地域を構成する文化や思想を尊重し、地域と共存して共に住み続けられるまちづくりを目指す努力が必要であり、企業の地域介入によって地場産業が衰退するような事態を生起させてはならないのです。

民間企業においては、自社のSDGsの貢献活動に対する意見を広く求める活動を実践しながら、地域コミュニティーや市民との間における相互理解と共助関係を構築することがとても大切なことなのです。

17.17 効果的な公的・官民・市民社会のパートナーシップを推進する。

さまざまなパートナーシップの経験や資源戦略を基にした、効果的な公的、官民、市民社会のパートナーシップを奨励・推進する。

http://www.env.go.jp/policy/sdgs/guides/SDGsguide-siryo_ver2.pdf

パートナーシップとは、日本語では「協力関係」や「提携」と訳されますが、外国においては、「2名以上のパートナーが金銭・役務などを出資して共同で事業を営む関係」と訳され、事業組織の存在を意味しています。

このターゲットは、多種多様な事業組織がもつ経験、人的・物的経営資源、コア・コンピタンスや知的財産などを社会の発展のために有効活用して、SDGsの目標達成に効果を発揮する公的、官民、市民社会の連携と事業組織の形成を奨励し推進することが目的と捉えることができます。

国政や県政などにおいて、国民や市民は、間接民主制の原則に基づき、選挙により選出した議員に自らの権利の行使を信託して、間接的に政治に意思を反映させることができます。また、日本の国政においては、憲法改正の際の国民投票を除いては、直接民主制は機能しません。

しかしながら、地方自治体においては、直接請求権によって住民の発案に基づく条例の制定や改廃、首長の罷免を要求することができる直接民主制が機能します。

地方自治体の政策決定にあっては、市民一人ひとりの生活や行動様式に対する影響が直接かつ近接的であるため、市民が議員を介して議会に意見するだけではなく、直接意見できることは大変重要な意味を持ちます。現在でも公聴会、参考人、請願・陳情など地方自治法上の制度やパブリックコメントやタウンミーティングなど、市民が議会に直接参加できる方法は多数存在しています。しかしながら、それらの方法が効果的に効力を発揮しているかというと、一概にそうはいえないのも事実です。

SDGsに関する一貫性のある政策を推進するためには、地方自治体と市民との間における緊密な連帯関係の構築が重要であり、議会への市民参加を促進するあらゆる方法を再整備して、市民の声を政策に直接反映させる機会を作ることによって、官民の一体感と政策への信頼感を醸成することが必要なのです。

若者の政治離れが叫ばれる中、若者たちの声を政策に直接反映できる「開かれた議会」の存在が必要とされています。地域に住む様々な世代が多様なパートナーシップの下で地方創生やまちづくりに積極的に参加し、地域全体がSDGsの目標達成に向かって協調性をもち一致団結続することによって、新しい未来の扉が開かれることなるでしょう。

編集後記

地域、民族、思想、宗教や言語などの違いによって、地球全体が抱える問題は多種多様で非常に難解かつ複雑化しており、私たち個人のレベルでは何もできることがないように感じてしまうかもしれません。

しかしながら、地球上のすべての人たちがが、それぞれの立場で無理なく続けられる事柄からスタートし、仲間を増やしならが共に成長し、やがてコミュニティーやパートナーシップに成熟していくことによって、私たちができることの範囲、影響力や可能性はどんどん大きくなっていくはずです。

SDGsの達成には、あらゆるレベルにおけるパートナシップの形成が前提となります。あなたも家族、友だちや職場などにおいて、SDGsのつながりを意識してみてはいかがでしょうか。あなたの一歩がやがて新しい未来をつくることにつながっていくのです。

The Sustainable Future(持続可能な未来)は、世界の一人ひとりの思いが詰まった理想の世界です。そんな未来を確かなものにするために、私たちと一緒にSDGsを信じて行動していきましょう。

夢は必ず実現できると信じて!

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